雪降る季節に、マンゴーがきらめく!?「白銀の太陽」
今回の"信金さん"は、西支店の泉さん。(写真右から、中川社長、泉さん)
泉さんのおすすめは、冬に収穫する完熟マンゴー【白銀の太陽】
糖度は15%以上で、繊維が少なく、とろける食感。首都圏の高級青果店をはじめ、有名パティスリーやホテルなどでも取り扱われる、一級品のマンゴーです。
でも、そもそも南国のフルーツが極寒の十勝で育っているなんて、信じられますか?
マンゴーを栽培しているのは、(株)ノラワークスジャパンの中川社長。
栽培に乗り出したきっかけは、宮崎県日南市のマンゴー栽培の第一人者・永倉勲さんのひとことでした。
「クリスマスの時期に食べられるマンゴーを作るのが夢だ。宮崎では難しいが、北海道ならできる」
中川社長「最初はもちろん、いったい何を言ってるの?と思いましたよ!でも、自分でも色々調べていくうち、自然のエネルギーをうまく使えば、確かに"十勝でやれる"と思いはじめたんです」
マンゴーは、涼しい冬を経て暖かくなる気温差で季節を感じて実を結ぶため、宮崎での収穫期は5~6月です。いっぽう十勝では、温泉がいたるところに湧き出し、冬には雪が降り積もる。それなら、夏には雪を冷房として、冬には温泉熱を暖房として使えばいいのでは・・・?
十勝は、永倉さんの夢「クリスマスのマンゴー」を叶えられる可能性を秘めていたのです。
2010年、一念発起した中川社長は、宮崎県に通いつめて栽培方法を学び始めます。同時に、栽培に関心を持つ仲間を集めて、着々と準備を整えていきました。そして2011年12月、ついに真冬のマンゴーを実らせることに成功!
栽培施設にもこだわっています。石油以外のエネルギーも活用する特別仕様なのです。
中川社長「実はこれまで、石油販売に携わってきました。でも、石油の利用は環境に負荷をかけているという事実が、ずっと心に引っ掛かっていて。だから、マンゴーはできる限り自然のエネルギーで育てたかったんです。季節を逆転させるためには、夏場は冬の間に集めた雪の冷気をまわして地中を冷やします。逆に冬場は温泉熱とヒーターで地中を温めるんです」。
信金さんが伺ったのは冬の収穫期。外がマイナスの気温でも、ハウス内は真夏!
鈴なりのマンゴーが甘い香りを放って、今か今かと収穫を待っていました。
そうして丁寧に育てられたマンゴーは、味も質も格別です。
「うちのマンゴーは、繊維も少なくて、まさに"とろける"でしょ?育つ過程で、ストレスが少ないからだと言われています。それに収穫期が冬で、虫もいないし、湿度も低くてカビも発生しにくい。いいマンゴーが育つ環境になっています。自分の孫にも、安心して皮まで食べさせられる、そんなマンゴーを作っていきたい」。
マンゴーの圃場は一般非公開ですが、マンゴーを扱っているシェフやバイヤーなど、様々な方が視察に来られているそう。
【▼首都圏の有名レストラン料理長が視察に来られました】
しかし、「マンゴーはきっかけに過ぎない」と中川社長。
地元の産業を活性化させ、人を呼び込める魅力的な地域にしたい。その思いが活動への原動力になっています。
「人が集まる魅力的なまちづくりのためには、一年を通して安定した仕事が必要ですよね。十勝の主要産業は農業だけど、特に畑作は、畑が雪に覆われる冬の間、収入を得る手段が限られます。だから、冬でも育てられる作物があれば、収入と雇用を作ることに役立つだろうと考えたんです。マンゴーの次は、別の作物にも挑戦しようと思っています。あとは、近い将来、雪や温泉から得た熱エネルギーを別の作物栽培にも使いまわして、エネルギーの二次利用ができる仕組みも整えたい。実験の繰り返しですね」。
あまくてとろける「白銀の太陽」は、地域を明るくしたいと奮闘する中川さんの、熱い思いの結晶です。
黄金色にかがやく、真冬のマンゴーはいかがですか?
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